前回の記事では、営業日報を「書いて終わり」にせず、過去の日報をAIにまとめて読ませることで、
- 受注しやすい案件の特徴
- 失注しやすいパターン
- 長期間止まっている案件
- 顧客がよく口にする課題
- 自分自身の営業の癖
などを分析できる、という話をしました。
今回は実践編です。
実際に1年分の営業日報をAIに分析させるためのプロンプトを作ってみます。
特別な分析ツールは使いません。
普段書いている営業日報とAIがあればOKです。
日報は「記録」ではなく、営業データになる
営業日報には、思っている以上に情報が入っています。
「A社訪問。新商品の提案。反応は悪くない。来月再訪予定」
「B社へ見積提出。価格がネック。競合との比較検討」
「C社へ電話。担当者不在。来週再度連絡」
一つひとつを見ると、単なる活動記録です。
でも、これが半年、1年と積み上がると話が変わります。
数百件の日報をまとめて見ることで、
「どんな案件が受注しやすいのか」
「どこで案件が止まりやすいのか」
「顧客は何に困っているのか」
というパターンが見えてきます。
人間が1年分の日報を全部読み返すのは大変です。
ここをAIにやってもらいます。
まず、営業日報をまとめる
できれば過去半年〜1年程度の日報を用意します。
形式は完璧でなくても構いません。
ExcelでもWordでもテキストでもOK。
例えば、
日付/会社名/商談内容/顧客の反応/結果/次回予定
くらいの情報があれば分析しやすくなります。
重要なのは、日報をきれいに作り直すことではありません。
まずは、
「過去の営業記録をAIが読める状態にする」
ことです。
※顧客名、担当者名、メールアドレス、電話番号、契約上の機密情報などを外部AIサービスへ入力する場合は、勤務先の情報管理ルールを確認し、必要に応じて匿名化してください。
実践プロンプト【コピペOK】
以下をそのままコピーして使えます。
あなたは営業活動の分析を担当する営業コンサルタントです。
これから、私が過去の営業日報を入力します。
日報に書かれている事実をもとに、私の営業活動を分析してください。
【分析してほしい項目】
- 受注した案件に共通する特徴
業種、企業規模、提案内容、顧客課題、商談回数、受注までの期間などから共通点を探してください。- 失注した案件に共通する特徴
失注理由を分類し、頻度の高いものから整理してください。価格、競合、タイミング、予算、決裁、提案内容など、可能な範囲で分類してください。- 停滞している案件
長期間進展していない案件を抽出し、止まっている理由を日報から推測してください。推測の場合は、その旨を明記してください。- 顧客がよく話している課題・ニーズ
日報に繰り返し登場する言葉やテーマを抽出してください。- 私の営業活動の強み
受注案件や商談が前進したケースから、成果につながっている行動を分析してください。- 私の営業活動の改善点
失注案件や停滞案件から、改善できそうな営業行動を分析してください。- 次に動くべき案件
現在の案件の中から、優先的にアプローチした方がよい案件を10件選び、その理由と次に取るべき行動を提案してください。【重要】
日報に書かれていない事実を作らないでください。
判断できない場合は「判断できない」としてください。
推測する場合は「推測」と明記してください。最後に、
・受注につながりやすいパターン
・失注につながりやすいパターン
・今すぐ確認した方がよい停滞案件
・今後重点的に狙う顧客像
・営業活動で改善すべきこと
・明日から実行できるアクション3つをまとめてください。
これから営業日報を入力します。
【ここに営業日報を貼り付け】

AIの回答で特に見たいところ
分析結果が出たら、全部を同じように読む必要はありません。
個人的には、特に次の3つを見ます。
① 受注案件の共通点
営業をしていると、
「この業界とは相性がいい」
「この商品は売りやすい」
といった感覚があります。
でも、それが本当に正しいのか。
日報をまとめて分析すると、
自分の感覚と実際の結果が違う
可能性があります。
これはかなり面白いところです。
② 失注理由
さらに重要なのがこちら。
失注を1件ずつ見ると、
「価格が合わなかった」
「タイミングが悪かった」
で終わりがちです。
ところが100件単位で見ると、
同じ場所で何度も負けている
可能性があります。
例えば、
「初回提案から見積提出までが長い案件ほど失注している」
「決裁者と話せていない案件の失注率が高い」
「特定の商品では価格が理由の失注が多い」
などです。
こうなれば、改善する場所が見えてきます。
③「止まっている案件」を掘り起こす
そして、営業現場で意外と大きいのがこれです。
失注していない。でも、動いてもいない。
そんな案件です。
営業担当者は新しい案件を追いかけるので、古い案件はどうしても埋もれていきます。
そこでAIに、
「90日以上動いていない案件を抽出して」
「再アプローチする価値がありそうな順に並べて」
と追加で指示してみます。
過去の日報から、忘れていた案件が出てくるかもしれません。
日報の価値は「書いた後」にある
営業日報は、上司に報告するための書類になりがちです。
でも本来は、
自分自身の営業活動のデータ
でもあります。
1日の日報だけでは、ほとんど何も分かりません。
しかし、
1か月。
半年。
1年。
と積み上がれば、それはかなり大きなデータになります。
AIによって、このデータを読むコストが大きく下がりました。
だから営業日報も、
「書いて終わり」から「貯めて分析する」
ものに変わっていくと思います。
AIは答えではなく、営業を振り返る道具
もちろん、AIの分析がすべて正しいわけではありません。
日報に書かれていない情報はAIにも分かりません。
営業担当者本人にしか分からない空気感もあります。
だから、AIに営業判断を任せるのではなく、
「自分では気づかなかったパターンを見つけてもらう」
くらいがちょうどいい。
過去の日報を振り返り、
仮説を見つけ、
次の営業活動に使う。
営業日報は「報告書」ではなく、
営業を改善するためのデータベース
として使えるのかもしれません。
LSD worksでは、こうしたAIを使って「仕事のゼロをなくす」方法を、実際に試しながら紹介していきます。


