前回の記事では、
約4,000社ある日本株を全部見るのではなく、AIに割安株探しの一次選別を手伝ってもらう
という使い方をご紹介しました。
今回は実践編です。
私ならAIにどんな条件を渡すのか。
そのままコピーして使える形で、プロンプトを作ってみます。
AIに「おすすめ株」を聞くわけではない
最初に、今回の目的をはっきりさせておきます。
AIに、
「今買うべき株を教えて」
と聞くためのプロンプトではありません。
目的は、
大量の上場企業の中から、自分で詳しく調べる候補を絞ること。
です。
AIが候補を出す。
人間が決算資料を読む。
事業内容を調べる。
そして最後に投資するかどうかを判断する。
この順番で使います。
今回見るポイント
今回は、清原達郎氏の投資に関する考え方などもヒントにしながら、
利益に対して株価が安いか
だけでなく、
会社が持っている資産に対して時価総額が小さくないか
という視点も入れます。
見る項目は例えば、
- PER
- 時価総額
- 流動資産
- 投資有価証券
- 負債
- ネットキャッシュ
- 業績推移
などです。
ここからAIに候補を絞ってもらいます。
そのまま使えるプロンプト
以下をコピーして使います。
あなたは日本株の企業調査を支援するアシスタントです。
日本の上場企業から、割安である可能性のある企業をスクリーニングしてください。
目的は投資推奨ではなく、私自身が決算資料などを詳しく調べるための「調査候補」を絞ることです。
以下の項目を重視してください。
・PER
・時価総額
・流動資産
・投資有価証券
・負債
・ネットキャッシュ
・ネットキャッシュ÷時価総額
・直近数年間の売上高と営業利益の推移ネットキャッシュについては、まず次の式を使って試算してください。
ネットキャッシュ = 流動資産 + 投資有価証券×70% − 負債
そのうえで、
ネットキャッシュ比率 = ネットキャッシュ ÷ 時価総額
を計算してください。
PERが比較的低く、ネットキャッシュ比率が高い企業を優先してください。
候補企業について、
- 会社名・証券コード
- 株価
- 時価総額
- PER
- ネットキャッシュ
- ネットキャッシュ比率
- 売上高・営業利益の傾向
- 割安候補とした理由
- 株価が低く評価されている可能性のある理由
- 詳しく確認すべきリスク
を表にしてください。
最後に「さらに決算資料を読んでみたい候補」を5社以内に絞り、その理由を説明してください。
重要:
株価・時価総額・決算数値は、可能な限り最新の公開情報を確認してください。
確認できない数字を推測して埋めないでください。
データの基準日と情報源を明記してください。
情報が古い場合や確認できない場合は「確認できない」と記載してください。
この分析は投資推奨ではなく、企業調査の候補を絞るための一次スクリーニングです。
条件は自分で変える
このプロンプトをそのまま使う必要はありません。
例えば、
「時価総額500億円以下」
を追加すれば小型株中心になります。
配当も重視したければ、
「配当利回り3%以上」
を追加してもいい。
逆に業績を重視するなら、
「直近3年間で営業赤字の企業を除外」
といった条件も考えられます。
重要なのは、
自分が何をもって「割安」と考えるのかを、先にAIへ伝えること。
です。
「なぜ安い?」まで調べてもらう
候補が出たら、そこで終わりではありません。
むしろここからが重要です。
私は候補企業について、もう一度AIにこう聞きます。
この会社が低いPER・高いネットキャッシュ比率で放置されている理由を調べてください。
業績悪化、業界の縮小、特定顧客への依存、経営上の問題、一過性利益、株主還元、資本効率などの観点から確認してください。
「割安である理由」と「単に評価が低い理由」を分けて整理してください。
PERが低いから割安。
ネットキャッシュが多いから割安。
そんなに単純ではありません。
安いものには、安い理由があるかもしれない。
そこまで調べて初めて、人間が読む価値のある候補になります。
AIが出した数字は必ず確認する
これは投資でAIを使ううえで特に重要です。
AIは数字を間違えることがあります。
古い株価を使うこともあります。
決算期を取り違える可能性もあります。
だから候補企業が見つかったら、
決算短信
有価証券報告書
決算説明資料
企業のIRサイト
など、一次情報を確認します。
AIが出した数字をそのまま投資判断に使わない。
AIはスクリーナーであり、投資家ではない。
くらいに考えておくのがちょうどいいと思います。
定期的にやらせるともっと面白い
そして、この作業は一度だけでなく定期的にやることもできます。
例えば、
毎月1日と16日に同じ条件でスクリーニングする。
すると、
「前回はなかった会社が入ってきた」
「株価下落でネットキャッシュ比率が上がった」
「決算発表でPERが変わった」
などの変化も見つけられます。
毎回約4,000社を見る必要はありません。
条件を決めて、AIに探してもらい、気になる会社だけ人間が読む。
こういうところこそ、AI秘書に任せたい仕事です。
最後に
営業でも投資でも、私がAIに期待していることはあまり変わりません。
大量の情報を集める。
整理する。
候補を絞る。
ここまではAIに手伝ってもらう。
そして、
考える。
判断する。
実際に行動する。
ここは人間がやる。
AIに投資判断を任せるのではなく、
自分が投資判断するためのスタート地点を作ってもらう。
そんな使い方なら、投資でもAIはかなり面白い道具になると思います。
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