株価を見ずに「ファイナンス思考」の企業を探す。AIスクリーニング実践プロンプト【コピペOK】

AI × 投資
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前回の記事では、PERや株価を見る前に、

「会社が生み出したキャッシュを、何に使っているのか?」

を見る方法を紹介しました。

今回は実践編です。

AIを使って、日本の上場企業から、

長期的な企業価値を高めるために、キャッシュと資本をうまく使っている企業

を探してみます。

ただし今回は、

PERを見ません。

PBRも見ません。

配当利回りも見ません。

株価が割高なのか、割安なのかも判定しません。

まずは、会社そのものを見る。

そんなスクリーニングを作ってみます。


「安い株」を探すスクリーニングではない

一般的な株式スクリーニングでは、

PER○倍以下。

PBR○倍以下。

配当利回り○%以上。

といった条件を使います。

もちろん、これはこれで有効な方法です。

でも今回やりたいことは違います。

例えばPER40倍の会社でも、

本業からキャッシュを生み出し、

そのキャッシュを成長事業へ再投資し、

その投資からさらに大きなキャッシュを生み出しているなら、

なぜ市場から高く評価されているのか

を調べる価値があります。

反対にPER8倍でも、今回のスクリーニングでは特別扱いしません。

株価を見ないからです。


今回見る5つのポイント

AIには、大きく5つの視点から企業を見てもらいます。

1.キャッシュ創出力

まず、本業から継続してキャッシュを生み出せているか。

単年度ではなく、できれば過去5年程度を見ます。

営業利益が伸びていても、キャッシュが伴っていないケースがあります。

そこで、

営業キャッシュフロー

フリーキャッシュフロー

利益とキャッシュフローの関係

キャッシュフローの安定性

などを確認します。


2.資本効率

次に見るのが、

ROIC(投下資本利益率)

です。

会社が事業へ投入した資本から、どの程度の利益を生み出しているのかを見る指標です。

さらに資料から確認できる場合は、

WACC(加重平均資本コスト)

も見ます。

単純化すれば、

ROIC > WACC

の状態を継続できている会社は、資本コストを上回るリターンを事業から生み出していると考えられます。

ただし、ROICだけで企業の良し悪しを決めるわけではありません。

大切なのは、

その資本効率が継続しているのか。

そして、

会社自身が資本効率を意識して経営しているのか。

です。


3.再投資力

ここは今回かなり重視します。

会社が100億円のキャッシュを生み出した。

では、その100億円を何に使ったのか。

設備投資

研究開発

新規事業

M&A

などへ投資しているなら、

その投資がその後の売上、利益、キャッシュフローにつながっているかを見ます。

単に、

「たくさん投資している会社」

を評価するのではありません。

「投資した資本から、次のキャッシュを生み出している会社」

を探します。


4.キャピタルアロケーション

生み出したキャッシュには、さまざまな使い道があります。

成長投資。

M&A。

配当。

自社株買い。

借入金返済。

現預金。

事業売却。

重要なのは、

どれが正解かを最初から決めないこと

だと思います。

高いリターンが期待できる投資先がある会社なら、再投資する。

投資機会が少ないなら、株主へ還元する。

財務リスクが高いなら、借金を返す。

低収益事業を売却して、成長事業へ資本を移すこともあります。

AIには、

「この会社の資本配分に一貫した考え方があるか?」

を見てもらいます。


5.経営者が企業価値を意識しているか

最後は数字だけではありません。

統合報告書。

中期経営計画。

決算説明資料。

経営者メッセージ。

こうした資料もAIに読んでもらいます。

そこで、

ROIC

資本コスト

キャッシュアロケーション

事業ポートフォリオ

企業価値

などについて、経営陣がどのように説明しているかを見る。

単に、

「売上1兆円を目指します」

ではなく、

「なぜその投資が将来の企業価値につながるのか」

まで説明しているか。

ここも今回の評価対象にします。


100点満点で採点してみる

比較しやすいように、AIには100点満点で仮採点してもらいます。

項目配点
キャッシュ創出力20点
資本効率25点
再投資力25点
キャピタルアロケーション20点
経営・開示10点
合計100点

ただし、この点数は投資推奨度ではありません。

90点だから買い。

70点だから売り。

というものではありません。

大量の企業から、

「この会社、もう少し詳しく調べてみたい」

という候補を見つけるための目安です。


実際に使うプロンプト

以下をコピーして使います。

あなたは日本株の企業分析を補助するリサーチャーです。

今回の目的は「割安株を探すこと」ではありません。

日本の上場企業から、長期的な企業価値向上を意識し、創出したキャッシュを合理的に配分・再投資している可能性が高い企業を探してください。

株価、PER、PBR、PSR、配当利回りなどの株価評価指標は、企業の選定・採点に使用しないでください。

また、「買い」「売り」などの投資判断も行わないでください。

可能な限り企業の決算短信、有価証券報告書、統合報告書、中期経営計画、決算説明資料などの一次資料を優先してください。

以下の5項目を評価してください。

1.キャッシュ創出力:20点

・過去5年程度の営業キャッシュフロー
・フリーキャッシュフロー
・利益とキャッシュフローの整合性
・キャッシュ創出の安定性と成長性

2.資本効率:25点

・ROIC
・ROICの推移
・WACCまたは資本コスト
・ROICと資本コストの関係
・資本効率改善への経営陣の取り組み

3.再投資力:25点

・設備投資
・研究開発
・M&A
・新規事業への投資
・過去の投資が現在の売上、利益、キャッシュフローの増加につながっているか

4.キャピタルアロケーション:20点

・成長投資
・M&A
・配当
・自社株買い
・借入金返済
・現預金
・事業売却、事業ポートフォリオ再編

これらを企業の成長段階や事業環境に応じて合理的に使い分けているか評価してください。

5.経営・開示:10点

・経営陣が企業価値を意識しているか
・ROICや資本コストについて説明しているか
・キャッシュアロケーション方針が明確か
・事業ポートフォリオの考え方が明確か
・過去に説明した方針と実際の行動に整合性があるか

各項目を採点し、合計100点で評価してください。

上位企業については、

  1. 会社名・証券コード
  2. 総合点
  3. 各項目の点数
  4. 営業CFの傾向
  5. ROIC・資本効率の特徴
  6. 主なキャッシュの使い道
  7. 過去の再投資と現在の成果
  8. 経営陣の資本配分に関する考え方
  9. この企業をさらに調査したくなる理由
  10. 注意すべき点

を整理してください。

最後に、今回の評価では判断できないことや、追加調査が必要な項目も明記してください。

情報が確認できない項目について推測で点数を補わず、「確認できず」としてください。

企業の株価が割高か割安かについては評価しないでください。


最初から全上場企業をAIに調べさせない

ここは実際に使うときの注意点です。

このプロンプトを入れて、

「東証全銘柄を完璧に調査してください」

と頼んでも、AIが数千社の一次資料を一度に精査できるわけではありません。

そこで実際には、

候補企業をある程度絞る

↓

10~30社程度を一次チェック

↓

上位数社を詳しく調査

という使い方が現実的です。

業種を限定してもいいでしょう。

例えば、

製造業から探す

時価総額1000億円以上から探す

過去5年営業CFが安定してプラスの企業から探す

などです。

時価総額を使う場合も、それは企業規模を絞るためであって、割安・割高の判断には使いません。


AIの点数を信用しすぎない

このスクリーニングで一番危ないのは、

AIが92点を付けたから優良企業だ

と考えてしまうことです。

AIが見落としている資料があるかもしれません。

ROICの計算方法も会社によって違います。

M&Aの成果も簡単には判断できません。

だから、この100点は答えではありません。

人間が、

「この会社をもう少し調べてみよう」

と考えるための入口です。


株価を見るのは、その後

ここまで企業を調べてから、初めて株価を見る。

そこで、

「PER40倍か。高いな」

と思うかもしれません。

それでも構いません。

反対に、

「これだけ資本をうまく使っているなら、市場から高く評価される理由も分かる」

と思うかもしれません。

その企業にいくら払えるのか。

現在の株価が高いのか、安いのか。

そこから先は、投資する人自身が考えることだと思います。

今回AIに任せるのは、

企業を探す。

資料を読む。

キャッシュの流れを整理する。

比較する。

そこまでです。

投資判断そのものは、人間に残します。


「安い会社探し」とは逆から走ってみる

以前LSD worksでは、割安に見える企業をAIで探す方法を試しました。

今回は逆です。

株価から会社を見るのではなく、会社から株価を見る。

高PERでも構わない。

低PERでも構わない。

まず、

この会社は、今日生み出した100円を使って、将来もっと大きなキャッシュを生み出せるのか。

そこを調べる。

同じ株式投資でも、入口を変えるだけで見える会社はかなり変わるかもしれません。

AIを使って、

今まで自分なら最初から「高い」と除外していた会社

を調べてみるのも面白そうです。

走りながら直す。

LSD worksです。

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