前回の記事では、
というテーマで、AIに営業リストの優先順位を整理してもらう方法をご紹介しました。
今回は実践編です。
実際に私ならどんな指示をAIに出すのか。
そのままコピーして使える形で、プロンプトを公開します。
AIに「売る会社」を決めてもらうわけではない
最初に一つだけ。
このプロンプトの目的は、
AIに営業判断を丸投げすることではありません。
100社の休眠顧客があったときに、
「まず、どの会社から見ればいいのか」
を整理してもらうためのものです。
AIが100社を20社に絞る。
その20社を営業マンが見て、
「ここは確かに可能性がありそうだ」
「この会社は事情を知っているから今回は外そう」
と判断する。
AIに準備を任せて、最後は人が決める。
これが基本です。
用意するもの
まず、休眠顧客の情報をExcelなどで整理します。
例えば、
- 会社名
- 業種
- 過去の売上
- 最終取引日
- 購入商品・サービス
- 最終訪問日
- 商談履歴
- 失注理由
- 営業担当者のメモ
などです。
全部そろっている必要はありません。
手元にある情報から始めれば十分です。
ただし、顧客情報には社外秘情報や個人情報が含まれる場合があります。
勤務先のルールや利用しているAIサービスのデータ取り扱いを確認したうえで、入力してよい情報だけを使用してください。
そのまま使えるプロンプト
以下をコピーして、休眠顧客リストと一緒にAIへ渡します。
あなたは法人営業の営業支援アシスタントです。
これから休眠顧客のリストを渡します。
目的は、すべての顧客へ一律に営業するのではなく、再アプローチする価値が高そうな企業から優先的に営業することです。
以下の観点から各社を分析してください。
【評価するポイント】
- 過去の取引実績
- 最終取引からの期間
- 過去に購入した商品・サービス
- 商談履歴
- 過去の失注理由
- 再購入・更新需要が発生する可能性
- その他、リストの情報から読み取れる営業機会
各社について、次の形式で整理してください。
【出力形式】
・会社名
・優先度:A/B/C
・優先順位
・その順位にした理由
・最初に確認すべきこと
・最初のアプローチ方法
・営業時に話すテーマの候補
・不足している情報
最後に、
「今週アプローチするなら、この10社」
として上位10社を一覧にしてください。
重要:
AIが持っていない情報を推測で補わないでください。
判断材料が不足している場合は、「情報不足」と明記してください。
また、最終的な営業判断は人間が行う前提で、順位とその理由を整理してください。
ポイントは「順位」より「理由」
私が重要だと思うのは、
AIがつけた順位そのものではありません。
見るのは、
「なぜ、この会社を上位にしたのか」
です。
例えば、
「3年前に大型案件があったからA」
だけなら、営業マンから見れば弱いかもしれません。
一方で、
「過去に定期的な更新需要があり、前回取引から更新周期に近い期間が経過している」
なら、
「確かに一度連絡してみよう」
となる可能性があります。
AIの順位を信じるのではなく、
AIの理由を読んで、人間が判断する。
ここが大切です。
さらに一歩進めるなら「今の会社」を加える
ここまででも使えますが、私はもう一段進めたいと思っています。
休眠顧客リストにあるのは、基本的に過去の情報です。
そこに、
- 最近のニュース
- 決算
- 新拠点
- 新商品
- 人事
- 採用
- Webサイトの更新
など、現在の情報を加えます。
すると、
過去の取引履歴 × 現在の企業情報
で営業先を考えられるようになります。
例えば、しばらく取引がなくても、
「新しい工場を開設した」
「新事業を始めた」
「採用を大幅に増やしている」
といった変化があれば、再アプローチするきっかけになるかもしれません。
その場合はプロンプトの最後に、
「可能であれば各社の最近の公開情報も確認し、再アプローチのきっかけになりそうな変化があれば別欄に記載してください。情報源と確認日も示してください。」
と追加します。
※Web検索ができるAIを使う場合を想定しています。
100社全部を見る時間を、10社を考える時間に変える
営業マンが100社の休眠顧客を一社ずつ調べる。
これはかなり大変です。
AIに100社を整理してもらい、
「まずこの10社を見てください」
という状態まで持っていく。
そこから先は人間の仕事です。
誰に連絡するのか。
何を聞くのか。
何を提案するのか。
過去の関係性をどう生かすのか。
ここには営業マンの経験が必要です。
だから私は、
AIで営業マンを置き換えるというより、営業マンが経験を使う場所を絞る
という使い方が合っていると思っています。
次回
営業先が決まったら、次に問題になるのが、
「どう回るか」
です。
次回は、1日の訪問予定をAIに渡して、
移動時間をできるだけ減らす営業ルートを組んでもらう方法
を試してみます。
空き時間ができたときに、
「この近くで、今寄るべき顧客はないか?」
まで考えられると、営業の動き方はかなり変わるかもしれません。


