有価証券報告書を読むAIプロンプト【コピペOK】

AI × 投資
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前回の記事では、

持ち株の有価証券報告書を、前年と今年で比較して“変わったところ”をAIに探してもらう

という使い方を紹介しました。

有価証券報告書を全部要約してもらうのではありません。

見たいのは、

「去年と比べて、何が変わったか」

です。

特に、

  • 事業リスク
  • キャッシュフロー
  • 資金調達
  • 希薄化
  • 経営方針
  • 記載が増えた項目
  • 記載が消えた項目

を中心に見ます。

今回は、そのまま使える実践プロンプトを作ります。


まず前年と今年の有価証券報告書を用意する

使う資料はシンプルです。

前年の有価証券報告書

と

今年の有価証券報告書

この2つです。

PDFのままAIに読み込ませてもいいですし、必要な部分だけ抜き出して使っても構いません。

ただ、今回の目的は比較なので、

必ず前年と今年の両方を用意する

ことが重要です。

今年の有報だけ読ませても、

「何が変わったのか」

は分かりません。


AIに全部要約させない

ここは前回と同じです。

AIに、

「この有価証券報告書を要約してください」

とだけ頼むと、長い要約が返ってきます。

もちろん、それも使えます。

でも長期保有の点検なら、

もっと絞った方が実用的です。

聞きたいのは、

「前年から変わったところだけ」

です。


実践プロンプト【コピペOK】

以下をそのまま使えます。

あなたは長期投資を前提とした企業分析を支援するリサーチアシスタントです。

これから、

・前年の有価証券報告書
・今年の有価証券報告書

の2つを入力します。

目的は、有価証券報告書全体を要約することではありません。

前年と今年を比較し、

「長期保有の前提に影響する可能性がある重要な変更点」

を見つけることです。

必ず以下のルールを守ってください。

  1. 前年と今年の記載を比較する
  2. 同じ内容が続いている項目は原則として省略する
  3. 新しく追加された記載を優先して抽出する
  4. 前年より表現が強くなった記載を抽出する
  5. 前年にはあったが今年消えた重要な記載を抽出する
  6. 数字が大きく変化した項目を抽出する
  7. 資料にない内容を推測で補わない
  8. 判断できない場合は「要確認」とする
  9. 投資判断や売買推奨は行わない

特に以下の項目を重点的に比較してください。

【1. 事業リスク】

・新しく追加されたリスク
・前年より記載が増えたリスク
・表現が強くなったリスク
・前年にはあったが消えたリスク

【2. キャッシュフロー】

・営業キャッシュフロー
・投資キャッシュフロー
・財務キャッシュフロー
・現金及び現金同等物
・大きく変化した要因

【3. 資金調達】

・借入金
・社債
・増資
・新株予約権
・転換社債
・その他の資金調達

【4. 株式の希薄化】

・発行済株式数の変化
・新株発行
・新株予約権
・ストックオプション
・株式報酬

【5. 経営方針】

・成長戦略
・重点事業
・海外展開
・新規事業
・撤退、縮小した事業
・経営方針から新しく追加されたテーマ
・前年にはあったが消えたテーマ

【6. 事業構成】

・主要事業の売上構成
・利益構成
・新しく加わった事業
・縮小した事業
・売却、撤退した事業

【7. 設備投資・研究開発】

・設備投資額の大きな変化
・研究開発費の変化
・投資先や目的の変化

【8. その他の重要な変更】

・重要な契約
・訴訟
・規制
・主要顧客
・従業員
・M&A
・子会社、関連会社
・その他、前年から大きく変わった事項

出力は以下の形式にしてください。

【変更点】

【前年の記載】

【今年の記載】

【何が変わったか】

【分類】
ポジティブ/ネガティブ/要確認

【重要度】
高/中/低

【長期保有の前提への影響】

【原文で再確認すべきポイント】

最後に、

「長期保有の前提に影響する可能性が高い変更点」

を重要度順に最大5件まとめてください。

また、

「前年から大きな変更がなく、長期保有の前提が維持されていると考えられる項目」

も簡潔にまとめてください。

以下が前年の有価証券報告書です。

(前年の有価証券報告書を入力)

以下が今年の有価証券報告書です。

(今年の有価証券報告書を入力)


ポジティブ・ネガティブ・要確認に分ける

このプロンプトでは、変更点を3つに分類します。

ポジティブ

例えば、

  • 営業CFが大幅に増えた
  • 借入依存度が下がった
  • 成長事業への投資が増えた
  • 海外事業の進展が確認できた

など。


ネガティブ

例えば、

  • 大型借入が増えた
  • 希薄化につながる株式発行が増えた
  • 主要事業のリスク記載が強くなった
  • 主要顧客との取引が減った

など。


要確認

これが意外と重要です。

例えば、

設備投資が前年比2倍になった。

これは良いとも悪いとも言えません。

成長のための投資ならポジティブかもしれない。

収益悪化を補うための投資なら話は違う。

だから、

分からないものを無理にポジティブ・ネガティブに分けない。

要確認に残します。


「消えた記載」を見逃さない

比較するとき、

新しく追加された記載には目が行きます。

でも、

前年にあったのに今年消えたもの

も重要です。

例えば前年、

海外市場を今後の重点成長領域と位置付けています。

と書いていた。

今年はその記載が消えている。

これだけで、

「海外事業をやめた」

とは言えません。

でも、

なぜ消えたのかは確認したい。

AIには、この「削除された記載」も探してもらいます。


表現が強くなったところを見る

文章の変化も見ます。

例えば前年、

競争環境が業績に影響する可能性があります。

今年、

競争環境が急速に激化しており、今後の収益性に重大な影響を与える可能性があります。

数字は変わっていなくても、

会社側の認識が変わっている可能性

があります。

こういう変化を人間が100ページの資料から探すのは大変です。

AIとの相性がいいところです。


キャッシュフローは数字だけで終わらせない

例えば、

営業CFが前年100億円。

今年70億円。

これだけなら、

30億円減った

という話です。

でも重要なのは、

なぜ減ったのか

です。

売掛金が増えた。

在庫が増えた。

利益が減った。

一時的な支払いがあった。

理由によって意味は変わります。

AIには、

数字の差だけでなく、

変化した理由も有報から探してもらう

ようにします。


希薄化は持ち株だからこそ見たい

長期投資では、

株価だけでなく、

自分が持っている1株の価値

を見る必要があります。

事業が成長していても、

株式を大量に発行し続ければ、既存株主の持分は薄くなります。

だから、

  • 発行済株式数
  • 増資
  • 新株予約権
  • ストックオプション
  • 転換社債

などを前年と比較します。

特に成長企業では、

毎年見ておきたい項目です。


「長期保有の前提」を先に書いておくのもいい

さらに使いやすくするなら、

プロンプトの最後に、

自分がその銘柄を持っている理由

を追加します。

例えば、

私がこの会社を長期保有している理由は以下です。

・世界市場が成長している
・世界シェアが伸びている
・営業キャッシュフローが増えている
・財務負担が大きくない
・増資に頼らず成長できている

今回の変更点が、これらの保有理由に影響するかも評価してください。

こうしておくと、

単なる有報比較から、

自分の投資仮説の点検

に変わります。

これはかなり使えると思います。


例えばAIの回答はこうなる

理想は、

変更点分類重要度長期保有への影響
営業CFが大幅減少要確認高CF創出力の確認が必要
中国事業リスクの記載増ネガティブ高成長前提に影響する可能性
新株予約権発行要確認高希薄化を確認
海外投資を拡大ポジティブ中成長戦略と一致
新規事業の記載追加要確認中将来の収益性を確認

くらいまで絞ってもらう。

これなら、

どこから原文を読むか

がすぐ分かります。


AIの評価より「変更点」を優先する

ここで一つ注意です。

AIが、

ポジティブ

と評価したから安心。

ネガティブ

だから売却。

とはしません。

AIの評価はあくまで整理です。

一番価値があるのは、

「ここが前年と変わっています」

と教えてくれる部分です。

その後の判断は人間がします。


最後は原文へ戻る

AIが、

「事業リスクの記載が強くなった」

と言った。

それなら実際に有報を開いて、

前年と今年の文章を読む。

AIが、

「希薄化の可能性がある」

と言った。

それなら株式関連の記載を確認する。

この流れです。

AIの回答を最終資料にしない。

AIには、

読む場所を探してもらう。

そして最後は一次情報へ戻ります。


持ち株の「健康診断」として使う

新しい銘柄を見つけるためのAI活用はよくあります。

でも、

すでに持っている会社を点検する使い方もあります。

毎年、

前年の有報。

今年の有報。

この2つをAIに比較させる。

そして、

長期保有の前提が維持されているか

を見る。

銘柄を探し続けるだけではなく、

今持っている会社を定期的に点検する。

長期投資なら、こちらも大事だと思います。

AIに、

「この株、売った方がいい?」

と聞くのではありません。

「去年と何が変わった?」

と聞く。

その方が、投資家自身が考える材料になります。

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